包丁の刃こぼれ・欠けの直し方|自分で研いで直せる範囲と、店に出す目安

包丁の刃が欠けた(刃こぼれ)とき、小さなものは自分で研いで直せますが、深い欠けは店で刃の形から整え直す必要があります。このページでは、明治5年(1872年)創業の刃物店・林金物が、刃こぼれの原因、自分で直せる範囲、店に出す目安、再発を防ぐ使い方をまとめます。

包丁の刃先のクローズアップ

刃こぼれの原因

  • 冷凍食品、骨、かぼちゃのヘタなど硬いものを切った
  • 刃をこじった、缶のフタ開けに使った
  • ガラスや石のまな板で使った
  • シンクや他の調理器具にぶつけた、引き出しで刃同士が当たった
  • 研ぎ角度が鋭すぎて刃先が薄くなりすぎていた

硬い鋼材(V金10号・青紙など)ほど薄く鋭い刃が付く一方、横からの力に弱く、同じ使い方でも欠けやすくなります。

自分で直せる?欠けの大きさで判断

欠けの大きさ 目安 対処
ごく小さい(0.5mm以下) 光にかざすと刃先に点が見える程度 中砥(#1000)で普段より多めに研げば消える
小さい(1mm前後) 爪に引っかかる 荒砥(#220〜400)で欠けが消えるまで研ぎ、中砥・仕上げ砥で整える。時間がかかる
大きい(2mm以上)・複数 目で見てはっきり分かる 刃の形(刃線)を作り直す作業になる。店に出す
先端が折れた 切っ先がない 店に出す。先端の形を削り出す

小さな刃こぼれを自分で直す手順

  1. 荒砥(または中砥)を水に浸す
  2. 欠けのある部分を中心に、普段の研ぎと同じ角度(約15度)で、欠けが消えるまで研ぐ。刃渡り全体も同じ回数研いで、刃のラインを揃える
  3. 裏面も同様に研ぎ、カエリを確認する
  4. 中砥→仕上げ砥の順に整え、カエリを取る
  5. 研ぎ汁を洗い流し、拭く

研ぎ方の基本はお手入れ完全ガイドの「砥石を使った研ぎ方」をご覧ください。荒砥は刃を大きく削るので、欠けが消えたらすぐ中砥に移ってください。

店に出したほうがいいケース

  • 欠けが2mm以上、または複数ある
  • 切っ先が折れた
  • 刃先が波打っている(刃線が崩れている)
  • 黒フッ素加工や黒打ちの包丁で、見た目を極力保ちたい
  • 荒砥を持っていない、または研ぎに自信がない

プロの研ぎ直しは、荒砥から仕上げ砥まで複数の砥石で刃の形を設計どおりに戻す作業です。欠けを消すために刃全体を均等に削るので、仕上がりの刃のラインが崩れません。

林金物の刃こぼれ修理

当店でお買い上げの包丁は、研ぎ直しと一緒に刃こぼれ・欠けの修正を承っています。欠けの深さで削る量が変わるため、現物を拝見してから料金と日数をご案内します。店頭(徳島市昭和町)と郵送、どちらでも受け付けます。

刃こぼれを防ぐ使い方

  • 冷凍食品・骨・硬い野菜のヘタは、専用の包丁か、解凍してから
  • まな板は木か、やわらかめの樹脂製
  • 刃をこじらない、押し切りで無理をしない
  • 収納は包丁差しか鞘で、刃が他の金属に当たらないように
  • 研ぐ角度を鋭くしすぎない(15度前後)

よくあるご質問

Q. 刃こぼれしたまま使っても大丈夫?

欠けの角から亀裂が広がったり、欠けた破片が食材に混ざったりすることがあります。早めに直してください。

Q. シャープナーで刃こぼれは直せますか?

直せません。シャープナーは刃先を軽く削るだけで、欠けを消すほどの削り量はありません。

Q. 黒い包丁の欠けを直すと、黒が落ちますか?

研いだ刃先の部分は黒が落ちて銀色になります。側面の黒は残ります。