黒い包丁(黒刀)とは?フッ素加工・黒打ち・波模様(鎚目)の違いと手入れ

黒い刃の包丁は、見た目だけでなく、食材の離れやすさや錆の目立ちにくさといった実用面の理由で選ばれています。ただし「黒い包丁」と一口に言っても、黒くなっている理由は何種類かあり、手入れの仕方も変わります。このページでは、明治5年(1872年)創業の林金物が、黒い包丁の種類と特徴、波模様(鎚目)の意味、手入れのコツをまとめます。

黒打ち仕上げの包丁が並ぶ様子

黒い包丁は3種類ある

種類 黒い理由 特徴 当店の例
黒フッ素加工 ステンレスの刃にフッ素樹脂の黒い膜を施す 食材が張り付きにくい。錆びにくい。研ぐと刃先の黒が落ちる 堺孝行 黒影
黒打ち(くろうち) 鍛造・焼き入れでできた黒い酸化皮膜を磨き落とさずに残す 鋼(ハガネ)の包丁に多い。錆が目立ちにくい。黒は自然に薄くなる 玄粋・玄槌
黒染め・コーティング(チタンなど) 刃全体に黒い被膜を付ける 見た目の統一感。製品により耐久性が大きく違う 当店では取扱いなし

波模様(鎚目)は何のため?

黒い包丁でよく見る「なみなみの模様」は、鎚目(つちめ)と呼ばれる、職人が鎚で打った凹凸です。くぼみが刃と食材のあいだに空気の層をつくり、じゃがいも・大根・生肉のように張り付きやすい食材が刃から離れやすくなります。ダマスカス(積層の縞模様)とは別物で、鎚目は機能のための凹凸、ダマスカスは側面の模様です。

黒い包丁のメリット

  • 食材が離れやすい:フッ素加工の滑りと鎚目の空気層。スライスした野菜が刃に残らず、作業が速い
  • 錆が目立ちにくい:黒打ちは皮膜が錆を防ぐ方向に働き、黒フッ素は下地がステンレスなのでそもそも錆びにくい
  • 見た目:キッチンの主役になる。贈り物にも選ばれる

黒い包丁のデメリットと注意点

  • 刃先の黒は研ぐと落ちる:砥石が当たる刃先は、黒フッ素も黒打ちも削れて銀色が出ます。不良ではなく、研いだ証です。側面や鎚目の黒は長く残ります
  • クレンザー・金たわしは不可:黒い膜に傷が付きます。柔らかいスポンジと中性洗剤で洗ってください
  • 食洗機は不可:膜と柄を傷めます
  • 黒打ちの鋼は錆びる:黒い皮膜のない刃先側は鋼なので、濡れたまま置くと錆びます。使ったらすぐ洗って拭く

黒い包丁の手入れ

  1. 使ったらすぐ、流水と中性洗剤、柔らかいスポンジで洗う
  2. 乾いた布で、刃・柄・口輪の水気を拭き取る
  3. 研ぎは普通の包丁と同じ。中砥(#1000)と仕上げ砥で研ぐ。刃先の黒が薄くなるのは正常
  4. 黒打ちの鋼は、長期保管の前に椿油を薄く塗る

洗い方の詳細は包丁の洗い方、研ぎ方はお手入れ完全ガイドにまとめています。

当店の黒い包丁

  • 堺孝行 黒影:V金10号(ステンレス)に鎚目+黒フッ素加工。三徳170mm・牛刀210mm・ペティ150mm。17,800円〜
  • 玄粋(くろいき):青紙2号(鋼)の黒打ち三徳。切れ味が長持ちし研ぎやすい。20,980円
  • 玄槌(くろつち):青紙スーパー(鋼)の黒打ち鎚目三徳。シリーズで最も硬い鋼材。22,980円

錆の心配をしたくない方は黒影、鋼の切れ味と手入れを楽しみたい方は玄粋・玄槌が向きます。

林金物で買うと付くもの

研ぎ直し初回無料(2回目以降1本1,500円〜・郵送可)、初期不良の30日保証、送料は全国900円(3万円以上で無料)。黒影にはメーカー保証書、オリジナルは桐箱入りです。

よくあるご質問

Q. 黒が落ちてきたら不良ですか?

いいえ。研いだり使ったりするうちに刃先の黒が薄くなるのは、どの黒い包丁にも起きることです。切れ味には影響しません。

Q. 黒い包丁は錆びませんか?

黒フッ素加工の黒影はステンレスなので錆びにくい包丁です。黒打ちの玄粋・玄槌は鋼なので、濡れたまま置くと錆びます。どちらも洗って拭く習慣が基本です。

Q. 研ぎ方は普通の包丁と同じですか?

同じです。砥石で研げます。クレンザーで磨かないことだけ気をつけてください。

Q. 黒い包丁のデメリットは?

刃先の黒が落ちること、クレンザー・食洗機が使えないこと、黒打ちの鋼は錆びることです。